「エイニーン・ミタよ、なんでもないものよ」
僕の生家があった街には、私設文庫というのがありまして、ボランティアが主に児童向けに本を貸し出していました。母がそのボランティアに参加していたこともあり、僕もそこの本を読んで育ったのですが、その中でもずいぶん印象に残っている本が「かぎのない箱」というフィンランドの童話集です。日本語訳は「指輪物語」の訳者として有名な故・瀬田貞二氏が手がけておられます。
僕が借りた本はかなりの量に上ると思いますが、2度同じ本を借りたのは確かこれだけだったと思います*1。
花粉症と鼻炎薬の副作用で何となくセンチメンタルになっている内にふと思い出しまして、今回「ナイト・テイル」第6夜の舞台を瀬田氏の名訳にあやかって「どこでもない国」と名付けました*2。自分の原点を見つめ直すとかそんなカッコイイ理由ではありませんが、偶には子供の頃に読んだ本を掘り起こしてみるのも、また新たな発見があってよいものです。
春は別れの季節
とは申しますが、ここ数年、春になると親類縁者に絡んだトラブルで作業に遅延を生じるようになっています。いや、もちろんトラブルごときで遅延しないように余裕を持っておくのが一番良いのですが。
父母の世代も高齢化が進み、僕も一族の中である程度役割を果たすことが期待される年齢になってしまったもので、仕方がないと言えば仕方がないのですが。どうも春は僕にとってあまり印象のよくない季節になりそうです。
どこでもない、なんでもない
と言う訳で「ナイト・テイルIII」の作業で大わらわな日々を過ごしておりました。発売時期については後ほど正式な発表があるかと思います。
ATOK2009と英数キー
ロングマン英英辞典に惹かれてATOK 2009を導入しました。
今回の新機能としては、英単語の推測入力機能が挙げられる訳ですが、これを活用するには「ワンキーで英語入力モードと日本語入力モードを切り替えられる」ことが前提です。従来、これは無変換キーが当てられていましたが、ATOK2009では(無変換キーに加えて)デフォルトで英数キーが割り当てられています。
さて、僕もこの機能を活用したいのはやまやまですが、いくつか問題があります。まず、無変換キーを「IMEオフ」に割り当ててしまっていることと、英数キーを「左Ctrl」に割り当ててしまっていることです。
僕は日本語入力時にホームポジションから極力指を動かしたくないという方針に基づき、変換にCtrl+U/I/O/Pを使用しているため、左Ctrlを多用します。しかし、左Ctrlは従来の位置ですと押しにくいので、「窓使いの憂鬱」というキー割付変換ソフトを使用して英数キーを左Ctrlに割り当てています。
無変換キーを活用するという手もあるにはあるのですが、やはり押しやすさでは英数キーに一歩劣ります。そこで、「窓使いの憂鬱」が誇るワンショットモディファイア機能を活用することにします。
ワンショットモディファイアというのは、たとえば「Spaceキーを押している間だけShiftキーの扱いにする」というような、少々複雑怪奇な仕組みでして、もっぱら「SandS」に用いられるのが普通です。
しかし、この機能を活用すれば、英数キーを「ぽん」と押して離した時には英数キーとして認識させ、英数キーを押しながら別のキーを押した場合にはCtrlキーとして認識させることが可能になるわけです。
具体的には「窓使いの憂鬱」の設定ファイル(.mayu)に以下のように記述します。
keymap Global
key *IC- =
mod ctrl += !!英数
key R-*英数 = &Ignore
動作は以下の通り。
・英数キーを押してすぐ離す → 英数キー(ATOK2009では英語/日本語入力切り替え)
・英数キーを押しながら別のキーを押す → Ctrl+別のキー
・英数キーを押し続ける → 何も入力されない
結果として、ますます便利になったのはいいのですが、窓使いの憂鬱への依存度が上がった気がします。
窓使いの憂鬱は32bit版XPでないと動かないので、Windows 7登場後には後継ソフト(「のどか」とか)への切り替えを検討しないとなりませんねぇ……。