メイドイン・ジャパン

 ホワイトソックスの高津投手が6セーブ目を上げました。
 今までメジャーでめざましい成功を遂げた日本人投手といえば野茂、石井、佐々木といった、いわゆる本格派投手――150キロ前後のストレートと落差の大きいフォークボールを投げる(石井の場合フォークよりスライダーの方が得意ですが)投手だった訳です。
 それに対して高津は「軟投派」と呼ばれる投手で、140キロ前後のストレートと90キロ台の変化球――「シンカー」――を駆使し、細かく丹念に低めを付き、打者の打ち気を逸らし、タイミングをずらして凡打の山を築く、というタイプの投手です。
 もちろんMLBにもそうしたタイプの投手はいる訳ですが、かつて大魔神と呼ばれた頃の佐々木が「セコイ」と蔑んだ、小さく細かい日本野球の粋たる高津が今、並み居るMLBのパワーヒッターたちをきりきり舞いさせている――今まさに、野球の世界では「メイドイン・ジャパン」の再来が起こっているのです。