信教の自由

 宗教系の勧誘を断るときの常套手段は「ウチはウチでありますから」な訳です。もちろん嘘ではなく、僕らの先祖代々の墓はお寺が守っている訳ですから、いちおう僕だって仏教徒と言えないこともない。


 もうずいぶん昔のことで、番組名もどこで収録していたかも、その作家が誰だったかも覚えていないのですが、とある紀行系の番組であるヨーロッパの有名な街並みを散策した某作家が(うう、悪文だ……)こんな言葉を残しました。


「この街で、異教徒であるぼくにできることは、ただ、礼儀正しくあること」


 名言だと思います。


 時として神の名の下にあまりにも愚かなことが行われたりするわけですが、さりとて彼らがその真摯な想いの下で築き上げてきた歴史や遺産を否定する気もない訳で。
 僕はやはり是々非々の対応のまま、信じているのか信じてないのかよくわからない日本人的にそうした隣人たちと折り合っていきたいものです。


 僕としてはこーゆー感覚って日本人が誇って良い美徳の一つだと思うんですけどね。