死生観

 ここ数年、身内に不幸や完治することのない大病を患う人が立て続けに出まして、喪服を着たり微妙な空気の中で見舞いに行ったりすることが多かったりしました。
 そんな中、どうやら僕は他人の死というものに対して全く感情移入できないらしい、ということに気づいてしまいました。祖母が亡くなった折にも悲しいという感情が湧いてくる訳ではなく、むしろ眠るように穏やかに逝ったという祖母の臨終を伝え聞いて「まあ、良かったんじゃないかなあ」などと思う始末。
 一方で死に臨む人間の感情に対しては過剰に反応するらしく、プロジェクトXとか見てるとぼろぼろ泣けます。祖母に対しても「死ぬときはどんな感じだったんだろうか」とか想像するときゅーっとキます。
 どうもこー、僕の共感能力にはどこか限定された箇所に致命的なバグを抱えていて、何か条件が揃うとさっくりフリーズするようです。しかもこれ、どうやら遺伝らしく、両親の話を聞いていると僕と似たような感覚を持っているフシがあります。祖母の葬式でも「そりゃー大往生だねえ」とか暢気なことゆってましたし。
 遺伝じゃあしょうがないよなあ。