太田忠司

 といっても僕は狩野俊介シリーズしか読んでいなかったりしますが、いちおー徳間デュアル文庫から出ている玄武塔まで含めてコンプリートはしてあります。
 この人もなんとゆーか古き良きカッパノベルズの匂いのする作家さんです。中年の落ち着いた大人を助手役に少年の探偵役が活躍するとゆーまさに王道な造りな訳で。
 にやりとするのは助手役、探偵役それぞれに「ヒロイン」が用意されていることでしょうか。二重構造の名探偵コナンと違い、素直にそれぞれのやりとりをニヤニヤしながら楽しむことができます。相手の気持ちにとことん鈍感なのはお約束とゆーことで。
 少年探偵の内面を掘り下げる話しとかもあって、わりと丁寧に作られているという印象があります。「久遠堂事件」以後新作が発表されていませんが*1、ぜひとも二組の煮え切らない関係にけじめをつけて頂きたいところ。
 でも「銀扇座」だけは勘弁な(笑)。

*1:2004年9月「狩野俊介の記念日」が発行されました