床上美人

 こういうことを書くと色々良くない種類の誤解を招きそうですが。
 女性の身体の中でどの部分が一番好きか? と問われるとたぶん僕は「体操で床の演技中、月面宙返りをしている間の手の指」と答えます。同じ月面宙返りでも伸身の月面宙返りではいけません。段違い平行棒でもダメです。
 月面宙返りという技は前転と同時にひねり――側転――を加える技で、あたかも宇宙遊泳中の宇宙飛行士がくるくる回るように見えることからその名が付いている訳です。
 屈伸の月面宙返りでは、女性選手の場合手を握るでもなく伸ばすでもなく、頭とおなかのあたりに添えている――しかし身体にくっついている訳でもありません――という大変宙ぶらりんな感じに置きます。おそらく完全に力が抜け、リラックスした状態でしょう。この自然さと不安定さがほどよく入り交じった感覚が僕のツボらしいです。
 突然変な話しで済みません。