高尾翼機

 ネタもないし時間もないので飛んで回る話の2回目です。
 小学生の頃、二宮康明氏の「よく飛ぶ紙飛行機」をよく作りました。確か第7集くらいまでありまして、70機ほど作って寝台の上につる下げたりとかしていました。
 慣れると結構手早くできまして、単純な造りの競技用機(滞空時間や飛距離を伸ばすために設計された飾りのない機体)だと20分で1機とか作れます。ちなみに、二宮氏はこの競技用機で滞空時間7分(視界没)という記録を持っていたそうです。視界没、というのは要するに飛びすぎて見えなくなったのでそれ以上計れませんでした、という話です。すげーなあ。
 まあそういう記録を作るには砂漠などの平べったいところとか、上昇気流の発生しやすい天気(そう、紙飛行機は晴天より曇天の方が飛びやすいのです)を選んだりとか色々条件が必要なもので、子供が手慰みに作った紙飛行機では1分も持ちませんでした。
 その中でも特にお気に入りだったのが、第1集の最後に掲載されている複葉機と、第2集の高尾翼機です。
 複葉機は非常にパーツの多い労作で、まち針を芯にしたプロペラを持っています。とばすとこのプロペラが回ってカラカラと小気味よい音を立てます。いやあ、飛んで回るものは良いですよね。
 次に高尾翼機というのは、尾翼が主翼よりも高い位置につくられているもので、とばすとゆったりと大きく旋回します。僕が作った紙飛行機の中では最も滞空時間が長かったので、旋回する高尾翼機を追いかけて実家の庭を駆け回ったりしていました。飛んで回るって良いなあ。