中学生日記

 昔僕が中学生だった頃、道徳の授業で「中学生日記」をみんなで見たりした訳です。
 その時は「テストで30点という結果を見て主人公がため息をつく」という話しだったのですが、なぜかクラス中に漂う「別にそんな悪い点でもないじゃん」ムード。「ふざけんなよ! いい点じゃねーか」とか野次を飛ばす生徒も。
 確かに僕のクラスの平均点からすると、30点といえば「ちょっと調子が悪いくらいじゃないの?」という印象な訳です。


 ……ええ。そうです。当時「神奈川方式」と呼ばれた内申システムのため、僕らの中学ではテストは「50点満点」。平均点は常時35点前後なのです。もちろん全国放送である「中学生日記」では100点満点な訳で、僕らには彼らの嘆きが理解できなかった訳です。そのことに気づいたのは番組が後半に入ってからでした。
 井の中の蛙大海を知らず、とはこのことで……。